2003年



6月13日(金)

愛媛県の伊予三島は初めて訪れる場所だった。現地情報に乏しく、かなり怪しいホテルに予約を入れてしまったことから(詳しくは、2003年6月ぼやきを参照)、コンサートを楽しむ以前に不安とストレスを抱え込んでしまった。

大阪の津村さんと途中合流して四国入りする約束だった私は、全日空653便(羽田発、岡山行き)に搭乗した。飛行機は定刻通り9:55にタキシングに入り、これまた定刻通り11:20に岡山空港に到着した。東京は晴天であったが、岡山は雨天。私が岡山空港に降り立つ日は、必ず雨が降る。バスで岡山駅に出た頃には、雨は小康状態。ここで大阪の友人、津村さんを待つ。津村さんを待つ間、妙な胸騒ぎがよみがえってきた。13時過ぎ、岡山駅13番線で津村さんと再会。駅弁を買い込んで特急しおかぜに乗り込んだ。1時間20分ほどで伊予三島に到着。15年前に瀬戸大橋が完成したおかげで、何となく「四国」に来たような実感がわかない。が、駅でお遍路さんを見るにつれ、ここが「四国」であることを徐々に実感し始める。

ホテル到着後、部屋で少し休んだ後、タクシーで伊予三島駅に出て、予讃線で伊予土居へ。ここから10分ほど歩いて、土居町文化会館(ユーホール)へ。ここで小室等、高田渡、トワ・エ・モワの出演するフォークライヴを18時半から2時間、楽しんだのである。

全席自由ということだったので、一番乗りして先頭に並んでいた時、津村さんが芥川澄夫さん(トワ・エ・モワ)のお兄様を見つけた。津村さんは芥川さんのご家族とも親交があるということで、久々の再会を喜んでおられた。私もお兄様と名刺交換。

コンサートは、小室等、高田渡そしてトワ・エ・モワの順で繰り広げられた。小室等はブルースハープ奏者を引き連れ、柔らかな歌声を館内にとどろかせていた、なかなか雰囲気がよい。どうも、今回のコンサートの進行役(まとめ役)は小室等らしい。高田渡は、相変わらず半分酔っぱらったような、それでいて飄々とした姿で登場し、本気なのか冗談なのかわからぬようなMCを展開していた。曲もリハーサルとはかなり変えてきたということで、「調整、驚くだろうなぁ」などと言いながらステージを楽しんでいた。もっとも、バックバンドをつけずにギター1本でステージに上がっているからこそ出来る芸当だと思う。当人は、「私はいい加減な気持ちで音楽をやっている」などとのたまっていたが、ギターワークはかなり高いレベルをキープしているし、人知れず何らかの努力をしているであろうことが伺えた。それを感じさせない自然体がいいのかもしれない。

そして、バックにギターとピアノを1人ずつしたがえてトワ・エ・モワの登場! 今回の演奏曲は、かつてのヒット曲&ライヴ定番曲が2/5、新譜「風のリボン」から唱歌を中心に3/5の比率であった。要するに、新譜の宣伝と、アットホームな雰囲気(会場の観客と一緒に歌うなど)をコンセプトとしたものと思われる。新譜を紹介するMCで、「トワ・エ・モワを再結成させて最初のアルバムを、春に出しまして…」って、オイオイ、1998年に「HARVEST」を出しているじゃないか!?…あぁ、あのアルバムは、再結成前のリリースなのか?


8月3日(日)

川口国際文化交流フェスティバル2003のイベントの一つとして企画された白鳥英美子コンサートに行ってきた。もともと、大阪の津村さんから先月連絡が入り、「一緒に行きません?」とお誘いを受けてチケットを手配していただいたものなのだが、当の津村さんは急に上京できなくなってしまった。そこで、久々に浅野さんと熊沢さんとコンサートを観覧することになった。

よく考えてみると、白鳥英美子さんのソロでのコンサートを見るのは、今回が初めてだったりする。今まで “かなり” ステージを見させていただいたが、ソロはなかったような…。

14時半、会場となる川口総合文化センター(リリア)のコンサートホールの扉が開き、開場となった。同時に、英美子さんのファンクラブ会員のチケット受け渡しが開始された。座席は1階18列12番…ファンクラブ手配の席にしては、ちょっと後ろ過ぎやしないか? 浅野さんと私は、英美子さんに花を渡そうともくろんでいたため、ステージとの距離をちょっと心配した。

15:10、幕が開く。「恋はやさし野辺の花よ」から穏やかにスタート。楽曲は、年末にリリースされた「I'm here」からのナンバーを中心に、「風のリボン」からも数曲、英美子さんの定番曲(「This Song for You」「There is a ship」「Amazing Grace」など)がギター2名、ベース、パーカッション、キーボードの必要最小限編成のバックバンドをしたがえて繰り広げられた。

英美子さん1人によるコーナーに入る前、バックバンドがすべて引き上げていることも忘れ(というよりも、曲順を間違えて)「風のリボン」をリリースした話を始めてしまい、「では、『みかんの花咲く丘』を…(みんなで歌いましょう!)」と言って振り返り、誰もステージにいないことに気づいて、「あっ、今の話はちょっとおいといて…」と慌てられる一幕もあった。観客、大喜び! その時、「トワ・エ・モワの時には、横にデッカイ人がいて…ほんと、デカいんですよ、182(センチ)ありますから…、そのデッカイ人がずっとペラペラしゃべってくれるんで、私は横でウンウンうなずいているだけですむんですけれど…」というコメントが! 言われてみれば、確かにそう。昔のライヴ盤などでは、トワ・エ・モワが2人組であることを忘れさせるような芥川さんの溢れ出るMCを聴くことが出来る。

2時間弱のコンサートではあったが、日頃の疲れやストレスを忘れることができた。ただ、本編とアンコールの境目がわからず、浅野さんと二人、花束を英美子さんに渡すタイミングがちょっとずれてしまい(席がステージから遠かったこともあり)、少々気まずい思いもした。が、英美子さんと握手をしてすべてが払拭されたような…。


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